私がまだ幼稚園に上がる前の頃(1950年台前半)、まだファミレスなど無い時代で、家族と買い物に行って屋上のレストランで食べるというのが楽しみになっていました。私は両親の目を盗み、レジ横のおもちゃの置いてある棚によじ登ってしまい、そのまま倒れて左の太ももを骨折したことがあります。今でもギプス姿の写真が残っている、はっきりとした記憶です。
当時は今のように骨折=病院というのが普通な事でもなく、「骨接ぎの先生に診てもらう」というのもごく自然な流れでした。家族に連れられて通った接骨院では、左大腿骨を元の位置に戻して固定する昔ながらの骨接ぎをしていただきました。もう記憶はありませんが。
現在では、骨折に対する治療もより安全で確実な方法が選ばれています。それはとても大切なことであり、安心して任せられる環境が整っていることは本当にありがたいことだと思います。
一方で、昔ながらの骨接ぎの技術や、手の感覚を大切にした整体の技術というのが、少しずつ少なくなってきているようにも感じます。すべてをそのまま再現することは難しいかもしれませんが、その中にあった「体に無理をさせない」「反応を見ながら整えていく」という考え方は、今の時代にも必要なものもあるのではないかと思っています。
私自身はリラクゼーションやコンディショニングという形で施術を行っていますが、ただ気持ちよさを提供するだけではなく、「やさしく整える」という感覚を大切にしています。強く押したり、その場だけ楽になるような調整ではなく、体が自然と緩んでいくような関わり方を意識しています。
実際に施術をしていると、強い刺激ではなくても体はしっかり変わっていくことを感じます。むしろ、無理のない刺激の方が体は素直に反応し、本来の状態に戻ろうとする力が働いているようにも思います。
すべての技術を正確に継承していくことは、とても難しい事かもしれません。それでも、その中にあった大切な考え方や技術を、自分なりに受け取り、できる限り正しい形で次につないでいくことはできるのではないかと感じています。
これからも、自分の手でできることを大切にしながら、安心して受けていただける施術を提供していきたいと思います。体に無理をかけず、ゆったりと整っていくような時間を、これからも大事にしていきます。
ゆったり整うケア
35MBC FUJIYA
